「自分。今迷子です」自己分析したい時に読み返す本【FFS理論】

お恥ずかしい話ですが、最近とてもイライラすることがありました。

いつもは我慢できる範囲の対応だったんですがその日は感情を抑えきれず、自室でクッションに顔を埋め叫びました。

あまりの言動に相手は驚いたことでしょうが、僕自身も驚きでした。

こんなにもマイナスの感情が芽生えることが無かったので、今まで接していた自分とはいったい何だったのかわからなくなってしまいました。

 

相手に合わせてキャラクターを演じていた?

自分を殺してご機嫌を取っていた?

今まで付き合ってきた感情は嘘?

 

モヤモヤしたまま数日が経ったある日。

自室の本棚に今の自分にぴったりな本がありました。

購入したきっかけは、漫画『宇宙兄弟』の登場人物で自分に近いキャラクターは誰なのかを知るためだったと思います。

 

気持ちが落ち込んでいた中で自己分析をきっかけに読み始めましたが、下記に思い当たる節がある方も参考になると書かれています。

  • 自分に自信がなく自己否定的になってしまう

  • 人間関係に傷ついている

  • 仕事もプライベートも無理をしながら生きている

不満や悩みの解消方法にFFS理論という考え方を利用した『あなたの知らないあなたの強み』という本をご紹介させていただきます。

FFS理論について

就活を経験されてる方や、人事の採用担当を任されている方なら聞き馴染みもあるのでしょうか。

FFSとは「Five Factors and Stress」の頭文字で、開発者は小林惠智(こばやし けいち)さんという日本人です。

ストレス理論というものをベースに研究され、人によってストレス状態を引き起こす要素が異なることから5つの因子にたどり着き、人によって思考行動パターンが違うことから5つの因子で明らかにしていきます。

この理論を駆使して、ソニー、ホンダやLINEを始めとした約800社の企業が活気にあふれる生産性の高いチームを作り、5つの因子の組み合わせによってその人の潜在的な強みを客観的に把握することでムダな誤解や気まずさを避け円滑な人間関係を構築できるそうです。

 

5つの因子について

それぞれの特徴を項目ごとにまとめてみました。

『判断軸』とは物事を判断する基準。

『ポジティブ時の印象』、『ネガティブ時の印象』はその状態の時の他者からの見え方。

『ストレスの要因』はストレスを感じるポイント。

すべての因子は多かれ少なかれ我々の中にあり、自己診断で数値が高い因子から順に自身に影響を与える因子となります。

A.凝縮性因子
  • こだわりが強く、自分の中で明確な価値規範を持っている
  • ブレずに、持論を主張する
  • 日本人には少ないタイプ

判断軸

自分の価値観上、正しいか、正しくないかで物事を判断

ポジティブ時の印象

  • 正義感や使命感、責任感が強い
  • 道徳的で模範的な印象
  • 判断力があってグイグイ推進していく
  • 責任感があって頼んだことも最後は自分で引き受けている

ネガティブ時の印象

  • 独善的
  • 支配的
  • 否定的
  • 周りを力でねじ伏せようとする

ストレスの要因

自分の考え方や価値観を頭ごなしに否定されるとストレスを感じる

 

B.受容性因子
  • 無条件に相手を受け容れ、面倒見がよく柔軟性がある
  • その人が喜んだり、その人から感謝されることがうれしい
  • 周りの要望をすべて受け容れてしまいキャパオーバーになることもある

判断軸

良いか、悪いかで物事を判断

ポジティブ時の印象

  • 面倒見が良く寛容
  • 肯定し、共感することができる
  • 気配りをしながら動いている

ネガティブ時の印象

  • お節介で過保護
  • 自虐的
  • 現実逃避になることもある

ストレスの要因

反応がなかったり、存在をないがしろにされるとストレスを感じる

 

C.弁別性因子
  • 常にどうすれば合理的か考えて行動している
  • 自分の都合で判断することもある
  • 感情があまり介入しないため、冷たく見られることもある

判断軸

相対的に見て適正であるか、不適正であるかで物事を判断

ポジティブ時の印象

  • 理性的、現実的で無駄なことをしない
  • 合理的に判断することができる
  • 情報が少ないときは判断しない

ネガティブ時の印象

  • 機械的で自己都合的
  • 詭弁的になりやすい

ストレスの要因

理不尽さなど、理性ではどうにもならないことを求められるとストレスを感じる

 

D.拡散性因子
  • 活発で行動力がある
  • 直情的で、面白いことなら周囲を気にせずどんどん取り組む
  • 興味を失うと一気に冷めるので、行動が脈絡なく見える

判断軸

好きか、嫌いかで物事を判断

ポジティブ時の印象

  • 積極的で活発的
  • ゼロから物事を作り上げることができる
  • 大胆な発想
  • 誰もしないことを平気で行う

ネガティブ時の印象

  • 反抗的
  • 破壊的
  • 攻撃的になることがある。

ストレスの要因

自由に動けない(団体行動を強いられている)時にストレスを感じる

 

E.保全性因子
  • プランを立て、工夫しながらコツコツと進めていくのが得意
  • 周りと協調しながら動くことができる
  • 成功体験をベースに体系てきな知識や経験を得ることで成長しようとする。

判断軸

好きか、嫌いかで物事を判断

ポジティブ時の印象

  • 几帳面でさまざまな場面を想像できている。
  • 協調的に動くことができる
  • みんなができていることを自分もできるようにしようとする

ネガティブ時の印象

  • 消極的で妥協的になる
  • パニックになり、拒絶的になることがある。

ストレスの要因

明確な指針がない場合や予期せぬ事態にストレスを感じる。

 

自己診断

本書には簡易版として15問の質問が記載されています。

この質問に直感で答え、因子ごとに合計点を出し診断します。

答え方は4択で

  • はい:4点
  • どちらかと言えばはい:3点
  • どちらかと言えばいいえ:1点
  • いいえ:1点

質問内容を確認し、答えに迷う場合に『どちらかと言えば』を選択してください。

合計点が高い順に第一因子、第二因子、第三因子となります。

また合計点が同数の場合は『E>D>C>A>B』の順となります。

あくまで簡易版ですので精度が落ちることをご了承ください、とのことです。

Aの質問
  1. 「持論を支持してくれない」同僚がいたら、喧嘩になってでも説得しようとする。
  2. 「こうあるべきだ」とよく言っている。
  3. 責任を果たすためなら、部下の仕事を取り上げることもためらわない。
Bの質問
  1. 元気がない友達がいたら、なんとか元気にしてあげようとする。
  2. 自分と違う考え方を聞いた時に「なるほど、一理あるな」と思う。
  3. 状況や環境が変われば、決まり事など柔軟に考えても良いと思う。
Cの質問
  1. 二度説明するなど、無駄なことはしない。
  2. 「データがない状態」では、判断できないと思う。
  3. 曖昧なことは、白黒はっきりとさせたい。
Dの質問
  1. 「閃いた」と思ったら後先考えすに、まず動く。
  2. 組織内にやりたいポジションがなくなれば、外に探しに行く。
  3. 「あんまり考えてないよね」と周囲からよく言われることがある。
Eの質問
  1. 計画的に準備して進めようとする。
  2. 仲間と一緒にいると安心できる。
  3. 「丁寧できっちりしているね」と言われることがある。

 

最後に

FFS理論はいかがでしたでしょうか。

自己診断の質問内容で「まさにあの人」と思い当たる箇所が多ければその人の第一因子の可能性が高いといえます。

自分の個性を理解し、相手にもストレスなく振舞える知識としてFFS理論は公私ともに使えるスキルかと思いました。

 

5つの因子のうち「保全性」と「拡散性」は生まれながらの気質が起因し、残る3つは社会における生活での影響が大きいと考えられています。

先天的な起因の「保全性」と「拡散性」に注目した場合、日本人の約6割が「保全性」で残りの4割が「拡散性」のタイプに分かれるそうです。

本書ではタイプ別に考える「人生の目標」の探し方や「準備ばかりして行動できない」を抜け出す方法。リーダーらしい自信の持ち方など、ビジネスパーソンによくある悩みや問題をFFS理論を用いて解析しています。

日常生活への応用も効きそうなものもありますので、ご興味が湧きましたら是非ご一読下さい。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。